「冷温停止」?作業員「政府ウソばかり」
テーマ:ブログ
2011/12/20 18:19
「冷温停止」?
作業員「政府ウソばかり」
「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」
「冷温停止状態」を通り越し「事故収束」にまで踏み込んだ首相発言に、福島第一原発の現場で働く作業員たちからは、「言っている意味が理解できない」「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」などと、あきれと憤りの入り交じった声が上がった。作業を終え、首相会見をテレビで見た男性作業員は「俺は日本語の意味がわからなくなったのか。言っていることがわからない。毎日見ている原発の状態からみてあり得ない。これから何十年もかかるのに、何を焦って年内にこだわったのか」とあきれ返った。汚染水の浄化システムを担当してきた作業員は「本当かよ、と思った。収束のわけがない。今は大量の汚染水を生みだしながら、核燃料を冷やしているから温度が保たれているだけ。安定状態とは程遠い」と話した。ベテラン作業員も「どう理解していいのか分からない。収束作業はこれから。今も被ばくと闘いながら作業をしている」。原子炉が冷えたとはいえ、そのシステムは応急処置的なもの。このベテランは「また地震が起きたり、冷やせなくなったら終わり。核燃料が取り出せる状況でもない。大量のゴミはどうするのか。状況を軽く見ているとしか思えない」と憤った。
別の作業員も「政府はウソばっかりだ。誰が核燃料を取り出しに行くのか。
被害は甚大なのに、たいしたことないように言って。本当の状況をなぜ言わないのか」と話した。
(東京新聞電子版12月17日付けより)
今も、毎時0.6億ベクレルもの放射能を放出し続ける原発のどこが冷温停止か!
◯ 12月16日に野田首相は「冷温停止」を宣言した。
これで何か変わるのかといえば、何も変わらない。ところが翌日には福島県に対して警戒区域の線を引き直す説明をするという。
事故の終息宣言「ステップ2」の終了という「節目」を演出したかったのだろう。細野原発担当大臣は「日本の技術力」などと言い出す始末だが、こんなデタラメ八百の原発事故を起こしておいて終息宣言を高らかにやってみても、原子力産業界が自画自賛するくらいで、世界中が冷ややかに見つめるだけだろう。
何のためにこのようなセレモニーをしたかといえば、原発輸出の障害になるからだろう。
既にベトナムなど4カ国との原子力協定が衆参両院で承認されてしまった。
これに合わせて終息宣言をし、原発事故の話題が報道の一面から消えることを狙ったのだろう。
今後は「事故終息後」の話題に移る。つまり除染と居住制限だ。こちらのほうがより切実な問題だから、原発そのものへの関心は当然薄れる。運転停止中の原発を運転再開しようともくろむ政府にとっては好都合というわけ。
◯ 本来の冷温停止とは「原子炉圧力容器内の燃料温度が100度以下になる」ことをいうもちろん健全な燃料についての定義であり、福島第一のような炉心で燃料が崩壊してしまった状態では、そもそも炉心の温度管理など出来るわけが無い。
だいいち、毎時0.6億ベクレルもの放射能が依然として放出し続ける原発の、どこが冷温停止かと思う。
通常の原発が冷温停止に至れば、原子炉の蓋を固定しているボルトを外し、燃料を交換する作業に入ることが出来る。しかし福島第一原発は圧力容器の蓋を開けるどころではない。
おそらく蓋が開けられるようになる時には関係者は誰も生きていないだろう。
百年かかるかもしれない。
1号機に至っては、燃料はほとんど圧力容器の下に落ち、大半が圧力容器外に流出していると考えられる。冷温停止を評価することなど出来るわけが無い。
原子炉外にある燃料は、温度さえ測定されていない。温度計があるのはあくまでも圧力容器だけ。燃料が抜け落ちていれば100度以下になるのは当たり前だろう。数メートル下の燃料を含むデブリの温度は分かっていない。
「冷温停止」などという、実態にそぐわない評価をいくらしても意味が無い。
むしろ実態を正確に伝える方が遙かに役に立とうというものだ。
作業員「政府ウソばかり」
「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」
「冷温停止状態」を通り越し「事故収束」にまで踏み込んだ首相発言に、福島第一原発の現場で働く作業員たちからは、「言っている意味が理解できない」「ろくに建屋にも入れず、どう核燃料を取り出すかも分からないのに」などと、あきれと憤りの入り交じった声が上がった。作業を終え、首相会見をテレビで見た男性作業員は「俺は日本語の意味がわからなくなったのか。言っていることがわからない。毎日見ている原発の状態からみてあり得ない。これから何十年もかかるのに、何を焦って年内にこだわったのか」とあきれ返った。汚染水の浄化システムを担当してきた作業員は「本当かよ、と思った。収束のわけがない。今は大量の汚染水を生みだしながら、核燃料を冷やしているから温度が保たれているだけ。安定状態とは程遠い」と話した。ベテラン作業員も「どう理解していいのか分からない。収束作業はこれから。今も被ばくと闘いながら作業をしている」。原子炉が冷えたとはいえ、そのシステムは応急処置的なもの。このベテランは「また地震が起きたり、冷やせなくなったら終わり。核燃料が取り出せる状況でもない。大量のゴミはどうするのか。状況を軽く見ているとしか思えない」と憤った。
別の作業員も「政府はウソばっかりだ。誰が核燃料を取り出しに行くのか。
被害は甚大なのに、たいしたことないように言って。本当の状況をなぜ言わないのか」と話した。
(東京新聞電子版12月17日付けより)
今も、毎時0.6億ベクレルもの放射能を放出し続ける原発のどこが冷温停止か!
◯ 12月16日に野田首相は「冷温停止」を宣言した。
これで何か変わるのかといえば、何も変わらない。ところが翌日には福島県に対して警戒区域の線を引き直す説明をするという。
事故の終息宣言「ステップ2」の終了という「節目」を演出したかったのだろう。細野原発担当大臣は「日本の技術力」などと言い出す始末だが、こんなデタラメ八百の原発事故を起こしておいて終息宣言を高らかにやってみても、原子力産業界が自画自賛するくらいで、世界中が冷ややかに見つめるだけだろう。
何のためにこのようなセレモニーをしたかといえば、原発輸出の障害になるからだろう。
既にベトナムなど4カ国との原子力協定が衆参両院で承認されてしまった。
これに合わせて終息宣言をし、原発事故の話題が報道の一面から消えることを狙ったのだろう。
今後は「事故終息後」の話題に移る。つまり除染と居住制限だ。こちらのほうがより切実な問題だから、原発そのものへの関心は当然薄れる。運転停止中の原発を運転再開しようともくろむ政府にとっては好都合というわけ。
◯ 本来の冷温停止とは「原子炉圧力容器内の燃料温度が100度以下になる」ことをいうもちろん健全な燃料についての定義であり、福島第一のような炉心で燃料が崩壊してしまった状態では、そもそも炉心の温度管理など出来るわけが無い。
だいいち、毎時0.6億ベクレルもの放射能が依然として放出し続ける原発の、どこが冷温停止かと思う。
通常の原発が冷温停止に至れば、原子炉の蓋を固定しているボルトを外し、燃料を交換する作業に入ることが出来る。しかし福島第一原発は圧力容器の蓋を開けるどころではない。
おそらく蓋が開けられるようになる時には関係者は誰も生きていないだろう。
百年かかるかもしれない。
1号機に至っては、燃料はほとんど圧力容器の下に落ち、大半が圧力容器外に流出していると考えられる。冷温停止を評価することなど出来るわけが無い。
原子炉外にある燃料は、温度さえ測定されていない。温度計があるのはあくまでも圧力容器だけ。燃料が抜け落ちていれば100度以下になるのは当たり前だろう。数メートル下の燃料を含むデブリの温度は分かっていない。
「冷温停止」などという、実態にそぐわない評価をいくらしても意味が無い。
むしろ実態を正確に伝える方が遙かに役に立とうというものだ。