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原子力教育に税金を過剰計上

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原子力教育に税金を過剰計上
   
国の財政が厳しいという意識が薄い!
国の交付金42億円、半分使わず(9年間で文科省)

文部科学省が原子力教育を主な目的として進めてきた自治体への交付金事業で、同省が二00二年度の制度創設から昨年度までの九年間に、教育現場のニーズを大きく上回る計四十二億円の予算を計上し、ほぼ半分が使われていなかったことが分かった。
予算が余っても、毎年度ほぼ同額の予算を計上していた。

事業は「原子力・エネルギー教育支援事業交付金」。

全国の小中学校や高校を対象に、文科省が都道府県を通じて支給してきた。
一県当たり一千万円が上限だが、福井、静岡県など原発立地自治体は増額が認められる。

文科省は簡易型の放射線測定機や原発副読本の購入費などへの活用を期待してきた。
本紙の調べでは、交付金予算は毎年度、四億円台を計上。
昨年度までの総額は、四十二億円に上ったが、実際に支出されたのは、
二十三億円で、予算の執行率は55%だった。


実際の交付金の使われ方をみると、原子力以外のエネルギー教材に活用するケースが目立った。
全国最多の原発十四基が立地する福井県ですら、昨年度まで多くは風力発電機や燃料電池実験器などの教材購入に利用。
原子力関連では、敦賀市の原発PR施設「あっとほうむ」を訪れる児童・生徒の見学費用などだった。


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交付金の原資は、電力会社の販売電力に応じて課税される電源開発促進税で、

最終的には電気料金として消費者が負担している。

原子力教育をめぐっては、同省などが〇九~一〇年度に一般競争入札で教材作成などを委託した事業のうち、六割以上が一者応札だったことが本紙の取材で判明。
落札したのは

すべて官僚OBや電力会社の現役または元役員が理事などを務める公益法人だった。



国の予算制度に詳しい田中一昭・拓殖大名誉教授の話
―日本の財政が厳しいとの意識が薄いと言わざるを得ない。そもそも教育が目的ならば、普通の教育の枠組み(一般会計)でやればよく、特別会計を用いる必要があるのか疑問が残る。
※原子力教育=2010年6月に閣議決定したエネルギー基本計画では、「小中学生などの次世代層について、将来、原子力を含むエネルギーについて自ら考え、判断するための基礎をはぐくむために」原子力教育支援事業などを進めるとしている。

09年3月に改定された高校の学習指導要領では、12年4月の入学者から、物理基礎で放射線や原子力の利用と安全性などを教える。
(2011.10.10東京新聞より抜粋)
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