原発を題材にした映画のご紹介。
テーマ:ブログ
2011/09/01 08:43
原発を題材にした映画のご紹介。
核、原子力、原爆、原発、放射能、被爆などに関する映画は、これまでに数多く作られてきました。
福島原発事故以降、それらの映画が注目を浴びるようになり、映画祭や特集上映なども活発に行われているようです。
『チャイナシンドローム』(1979年)のような社会派作品や鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリー作品群などはもちろんですが、エンタテインメント的映画の中にも、原子力や放射能の危険性を扱った作品はたくさんあります。
そんな映画を楽しみなら、原子力について考えてみてはいかがでしょうか。
たくさんありすぎて、どれから観たらいいかわからないというあなた。
例えば、今年亡くなられた方の追悼を込めて、作品を選んでみるのはどうでしょう。
元キャンディーズの田中好子さん。田中さんの代表作といえば、今村昌平監督作品『黒い雨』(1989年)が真っ先に思い浮かびます。
井伏鱒二の原作で、被曝を扱った名作なので、ご覧になった方も多いと思います。
田中さんは、同じ時期にもう一本、原子力に関係する映画に出演されています。
それは『ゴジラvsビオランテ』(1989年)です。
『ゴジラ』シリーズの17本目の作品で、長いゴジラの歴史の中での評価はあまり高くありませんが、ゴジラという存在に対し、科学でコントロールしようとする人間たちの無力感がよく描かれている作品だと思います。
核と共存できますか
という問いには、できると答える人はいると思います。
でも、ゴジラと共存できますかと問われたら、多くの人は共存したいとは思わないでしょう。
ゴジラ映画の優れている点は、核という漠然とした脅威を、ゴジラという具体的脅威にして描いていることだと思います。
もちろん、荒唐無稽な怪獣映画ですから、ツッコミどころもありますが、あまり目くじらを立てずに楽しみましょう。
ゴジラが若狭湾の原発群を襲うかも・・・いう展開もスリリングです。
こ
の映画が制作されたのは、1989年。つまり、チェルノブイリ事故以後、最初に制作されたゴジラ映画ということになります。
福島事故を起こしてしまった今、もう一度、観直す価値はあるのではないでしょうか。
さて、震災後に亡くなられた方で、もう一人忘れられないのは、原田芳雄さんです。
原田さんは、黒木和雄監督作品の常連だったこともあり、原子力関係の映画にたくさん出演されています。
その中で1本を選ぶとしたら、やはり黒木監督の『原子力戦争』(1978年)でしょうか。
田原総一朗原作とありますが、最近復刊された田原総一朗著『原子力戦争』(ちくま文庫)とは、大きく内容は異なっています。
黒木監督は、田原原作に着想を得て、新たなドラマを作ったのでしょう。
映画では、原発のある町で起きた不可解な事件をめぐって、原発の恐ろしさが描かれています。
この映画が制作されたのが、1978年。つまり『チャイナシンドローム』の1年前です。
『チャイナシンドローム』よりも先に原発事故を題材にしたということは、まさに時代を先取りしていたといえるでしょう。
実際、1年後にスリーマイル島原発事故が起きました。それだけでも凄いことですが、それ以上に恐ろしさを感じるのは、この映画が原発周辺に起こる不可解な殺人を描いていることです。
実際にそういうことがあったのかどうかは知りません。
その後、現実には、もんじゅ西村事件や、東電OL殺人事件など、未だに解決されていない不可解な事件が原発の周辺で起こっています。
そんな原発のいかがわしさを、30年以上も前に鋭くえぐっていたのです。
この映画の舞台は、ドラマの中では特定されていませんが、撮影は福島原発周辺で行われています。
実際に主演の原田さんが福島原発に入ろうとする場面がゲリラ的に撮影されていて、その部分だけドキュメンタリータッチになっています。
今こそ多くの人に観ていただきたい映画ですが、現在、DVDにはなっていないようです。過去に、ビデオソフトにはなったようですが、内容が内容なだけに、日本の地上波テレビで放送されることはまずなく、事実上の封印映画になりつつあるようです。
核、原子力、原爆、原発、放射能、被爆などに関する映画は、これまでに数多く作られてきました。
福島原発事故以降、それらの映画が注目を浴びるようになり、映画祭や特集上映なども活発に行われているようです。
『チャイナシンドローム』(1979年)のような社会派作品や鎌仲ひとみ監督のドキュメンタリー作品群などはもちろんですが、エンタテインメント的映画の中にも、原子力や放射能の危険性を扱った作品はたくさんあります。
そんな映画を楽しみなら、原子力について考えてみてはいかがでしょうか。
たくさんありすぎて、どれから観たらいいかわからないというあなた。
例えば、今年亡くなられた方の追悼を込めて、作品を選んでみるのはどうでしょう。
元キャンディーズの田中好子さん。田中さんの代表作といえば、今村昌平監督作品『黒い雨』(1989年)が真っ先に思い浮かびます。
井伏鱒二の原作で、被曝を扱った名作なので、ご覧になった方も多いと思います。
田中さんは、同じ時期にもう一本、原子力に関係する映画に出演されています。
それは『ゴジラvsビオランテ』(1989年)です。
『ゴジラ』シリーズの17本目の作品で、長いゴジラの歴史の中での評価はあまり高くありませんが、ゴジラという存在に対し、科学でコントロールしようとする人間たちの無力感がよく描かれている作品だと思います。
核と共存できますか
という問いには、できると答える人はいると思います。
でも、ゴジラと共存できますかと問われたら、多くの人は共存したいとは思わないでしょう。
ゴジラ映画の優れている点は、核という漠然とした脅威を、ゴジラという具体的脅威にして描いていることだと思います。
もちろん、荒唐無稽な怪獣映画ですから、ツッコミどころもありますが、あまり目くじらを立てずに楽しみましょう。
ゴジラが若狭湾の原発群を襲うかも・・・いう展開もスリリングです。
こ
の映画が制作されたのは、1989年。つまり、チェルノブイリ事故以後、最初に制作されたゴジラ映画ということになります。
福島事故を起こしてしまった今、もう一度、観直す価値はあるのではないでしょうか。
さて、震災後に亡くなられた方で、もう一人忘れられないのは、原田芳雄さんです。
原田さんは、黒木和雄監督作品の常連だったこともあり、原子力関係の映画にたくさん出演されています。
その中で1本を選ぶとしたら、やはり黒木監督の『原子力戦争』(1978年)でしょうか。
田原総一朗原作とありますが、最近復刊された田原総一朗著『原子力戦争』(ちくま文庫)とは、大きく内容は異なっています。
黒木監督は、田原原作に着想を得て、新たなドラマを作ったのでしょう。
映画では、原発のある町で起きた不可解な事件をめぐって、原発の恐ろしさが描かれています。
この映画が制作されたのが、1978年。つまり『チャイナシンドローム』の1年前です。
『チャイナシンドローム』よりも先に原発事故を題材にしたということは、まさに時代を先取りしていたといえるでしょう。
実際、1年後にスリーマイル島原発事故が起きました。それだけでも凄いことですが、それ以上に恐ろしさを感じるのは、この映画が原発周辺に起こる不可解な殺人を描いていることです。
実際にそういうことがあったのかどうかは知りません。
その後、現実には、もんじゅ西村事件や、東電OL殺人事件など、未だに解決されていない不可解な事件が原発の周辺で起こっています。
そんな原発のいかがわしさを、30年以上も前に鋭くえぐっていたのです。
この映画の舞台は、ドラマの中では特定されていませんが、撮影は福島原発周辺で行われています。
実際に主演の原田さんが福島原発に入ろうとする場面がゲリラ的に撮影されていて、その部分だけドキュメンタリータッチになっています。
今こそ多くの人に観ていただきたい映画ですが、現在、DVDにはなっていないようです。過去に、ビデオソフトにはなったようですが、内容が内容なだけに、日本の地上波テレビで放送されることはまずなく、事実上の封印映画になりつつあるようです。