一級造園技能士試験
テーマ:ブログ
2011/01/28 12:05
先日、合格通知が届きました
造園の職に就くなら必ず持っていたい資格のひとつですね。
学科は過去問題を反復すれば特に問題はありませんが、実技に
関しては注意が必要です。
仕上がり、正確性、スピード、手順、適正道具の使用などを
チェックされるので、充分に事前準備をしておく事が必要とな
ります。
これから試験を受けられる方のために作業手順を書き出してみ
たので参考にして下さい。
ただし、細かい取り決めは各都道府県で異なるので1度は地元
の講習会に参加をしておく事をお勧めします。
不思議な事にその場でしか伝えられない事もあるので...
造園技能士(1級)技術試験手順
1. 試験前
・ 当日は長袖着用
・ 道具の確認(使用する順に並べておく)
・ 関守石、筧の確認
・ 支給品の確認(数の確認は確実にする)
立て子は35〜40枚が目安
・ 水糸からのG.L.を把握しておく
・ ごろた石の角石を選んでおく
・ 役石や景石の面を見て据え方を決めておく
2. 竹垣
・ 親柱と間柱の頭を10mm切り、保管しておく
(頭は最後に使用する)
向きを決めたら胴縁の位置を色鉛筆で記す
・ 親柱を据付(建物の柱などと垂直を見通す)、H=1,000
穴を掘る前にピンポールで位置出し
・ 間柱を据付
(胴縁を仮置きし位置出し、親柱より高さ-120〜140を水糸
で確認)
あらかじめピンポールで位置出しをしておく
・ 胴縁の取付
(親柱側は下から元・末・元で節止めとする、釘は節を貫通
させる)
※ゆがみの大きい根元付近は使わない
※斜め切りは実際の角度より鋭角にする
竹の穂節を前後にする
先に2m強ほどで切っておくと作業しやすい
ひとつの染縄を2本使い用に束ねておく
※濡らした染縄はビニール袋に入れて使う
(土などで汚れないように)
間柱側は染縄か釘で仮止めする
(本止めは釘で止め染縄2本で二字掛け)
・ 立て子のかきつけ
(1本縄でかきつけ数枚おきにころす、隙間を空けない)
立て子の足元になる部分をスコップで軽くほぐしておく
最初の3枚は末を上にし、その後は自由
最後は間柱の中心から3枚までとする
垂直に注意する
立て子4枚目の中段と下段張出部に仮止めの染縄を用意し
ておく
・ 押縁の取付(親柱側は下から末・元・末とし節止め)
※ゆがみの大きい根元付近は使わない
(太さも細めの物を選ぶ)
押縁が柱の面から出ないようにする
割るときの向きに注意する
※斜め切りは実際の角度より鋭角にする
(柱との隙間が出来ないようにする)
それぞれ染縄で仮止めしてから作業する
染縄2本使いで両サイドをまず結び、立て子の枚数で中心
を出して結ぶ
下がりは40mmとする(結びはあや掛け)
一番上の押縁は2ヶ所仮止め
立て子をカケヤで叩き頭を揃える
・ 笠は親柱側を元とし節止めにする
※ゆがみの大きい根元付近は使わない
笠を割る向きとゆがみに注意、金槌で節を抜く
斜め切りの角度に注意(柱との隙間が出来ないようにする)
染縄は3本使いで上に70mm、下がり150mmとする
・ 切り揃え
(玉縁、胴縁、押縁は最後の立て子から立て子1〜2枚程度
分を残して 垂直に切り落とす)
3. つくばい
・ 手水鉢の据付(ピンポール2本で手水鉢の中心を出す)
G.L.から300mmで据え、天端を海に向けて転かす
左下の角から1,000mmの所にピンを打ち飛石を仮置
・ 前石の据付
仮置した飛石と前石の間は約100mm、そこにG.L.から
50mm上げで水糸を張る
糸より30mm高く前石を据える
このとき、ついでに飛石も据えて糸を外した方が楽
・ 手燭石の据付
手水鉢と前石の中間の高さ、約190mm
(前石から110mm上がり)
天端は水平にし、海側に転かす
(上から見て手水鉢に対しハの字なるように)
勢いは手水鉢へ
・ 湯桶石の据付(手燭石より天端は広く)
手燭石と前石の中間の高さ、約135mm
(前石から55mm上がり)
天端は水平にし、海側に転かす
(上から見て手水鉢に対しハの字なるように)
勢いは前石へ
・ つなぎ石の据付(6石以上使用)
手水鉢とそれぞれの役石の手前1/3を繋いだ円上に据える
面は海に向ける
ちりは約50mm、根が切れないようにする
・ 海(それぞれの石の際はよく突込む)
整地した後、砂をスコップ一杯入れならす
水門石を置く(手前を土台の石が2石になるようにする)
4. 延段
・ 水糸張り
自分で決めたG.L.から50mm上がりで延段のガイドを張る
スコップで全体をほぐしておく
・ 板石の据付(水平器でレベルを合わせる)
・ 切石の据付(水平器でレベルを合わせる)
板石と切石の間は目地無し
・ ゴロタ石で延段の角石を据える
・ 外輪を据え、中を据える(禁忌に注意)
目地を突込み固める(際をハケで整える)
※やり過ぎないところで止めておく(石が動かないのが目安)
・ 飛石を据付
5. 景石・植栽
・ 筧を設置する
・ 粗整地を行い植栽地に残土をまとめる
(ここまでの作業で発生残土は最小限に)
・ 手燭石の際にサツキを1株植える
(石から少し離して海に傾けて植える)
・ 築山を整えたら景石を組む(主石は立石とする)
・ カシを植え付け
・ サツキの植え付け
・ ヤブランとタマリュウの植え付け(ポットごと植え付ける)
※剪定は行わない
※サツキの根元が隠れるように
6. 整地・仕上
・ ゴミなどを取り除き全体の点検を行う
・ 石の際、延段の目地などを特に綺麗にする
・ 整地した地面は箒の掃き目を付けて仕上げる
・ 飛石の上に関守石と最初に切った杭の頭を置く
7. 確認・片付
・ 手落ち、不要物などを確認する
・ 道具を片付け、ゴミも確認して全て敷地外に出してまとめ
ておく
・ 再度確認をして、作業終了を申告する
・ 完了
これを制限時間内に行います。延長時間に入ると5分毎に減
点されてしまいます。
ただ、早く終わっても仕上がりが雑だと減点され不合格にな
る場合があります。とにかく落ち着いて作業することが大切
です。
その為にもしっかりと事前準備をして試験に臨んで下さい。
造園の職に就くなら必ず持っていたい資格のひとつですね。
学科は過去問題を反復すれば特に問題はありませんが、実技に
関しては注意が必要です。
仕上がり、正確性、スピード、手順、適正道具の使用などを
チェックされるので、充分に事前準備をしておく事が必要とな
ります。
これから試験を受けられる方のために作業手順を書き出してみ
たので参考にして下さい。
ただし、細かい取り決めは各都道府県で異なるので1度は地元
の講習会に参加をしておく事をお勧めします。
不思議な事にその場でしか伝えられない事もあるので...
造園技能士(1級)技術試験手順
1. 試験前
・ 当日は長袖着用
・ 道具の確認(使用する順に並べておく)
・ 関守石、筧の確認
・ 支給品の確認(数の確認は確実にする)
立て子は35〜40枚が目安
・ 水糸からのG.L.を把握しておく
・ ごろた石の角石を選んでおく
・ 役石や景石の面を見て据え方を決めておく
2. 竹垣
・ 親柱と間柱の頭を10mm切り、保管しておく
(頭は最後に使用する)
向きを決めたら胴縁の位置を色鉛筆で記す
・ 親柱を据付(建物の柱などと垂直を見通す)、H=1,000
穴を掘る前にピンポールで位置出し
・ 間柱を据付
(胴縁を仮置きし位置出し、親柱より高さ-120〜140を水糸
で確認)
あらかじめピンポールで位置出しをしておく
・ 胴縁の取付
(親柱側は下から元・末・元で節止めとする、釘は節を貫通
させる)
※ゆがみの大きい根元付近は使わない
※斜め切りは実際の角度より鋭角にする
竹の穂節を前後にする
先に2m強ほどで切っておくと作業しやすい
ひとつの染縄を2本使い用に束ねておく
※濡らした染縄はビニール袋に入れて使う
(土などで汚れないように)
間柱側は染縄か釘で仮止めする
(本止めは釘で止め染縄2本で二字掛け)
・ 立て子のかきつけ
(1本縄でかきつけ数枚おきにころす、隙間を空けない)
立て子の足元になる部分をスコップで軽くほぐしておく
最初の3枚は末を上にし、その後は自由
最後は間柱の中心から3枚までとする
垂直に注意する
立て子4枚目の中段と下段張出部に仮止めの染縄を用意し
ておく
・ 押縁の取付(親柱側は下から末・元・末とし節止め)
※ゆがみの大きい根元付近は使わない
(太さも細めの物を選ぶ)
押縁が柱の面から出ないようにする
割るときの向きに注意する
※斜め切りは実際の角度より鋭角にする
(柱との隙間が出来ないようにする)
それぞれ染縄で仮止めしてから作業する
染縄2本使いで両サイドをまず結び、立て子の枚数で中心
を出して結ぶ
下がりは40mmとする(結びはあや掛け)
一番上の押縁は2ヶ所仮止め
立て子をカケヤで叩き頭を揃える
・ 笠は親柱側を元とし節止めにする
※ゆがみの大きい根元付近は使わない
笠を割る向きとゆがみに注意、金槌で節を抜く
斜め切りの角度に注意(柱との隙間が出来ないようにする)
染縄は3本使いで上に70mm、下がり150mmとする
・ 切り揃え
(玉縁、胴縁、押縁は最後の立て子から立て子1〜2枚程度
分を残して 垂直に切り落とす)
3. つくばい
・ 手水鉢の据付(ピンポール2本で手水鉢の中心を出す)
G.L.から300mmで据え、天端を海に向けて転かす
左下の角から1,000mmの所にピンを打ち飛石を仮置
・ 前石の据付
仮置した飛石と前石の間は約100mm、そこにG.L.から
50mm上げで水糸を張る
糸より30mm高く前石を据える
このとき、ついでに飛石も据えて糸を外した方が楽
・ 手燭石の据付
手水鉢と前石の中間の高さ、約190mm
(前石から110mm上がり)
天端は水平にし、海側に転かす
(上から見て手水鉢に対しハの字なるように)
勢いは手水鉢へ
・ 湯桶石の据付(手燭石より天端は広く)
手燭石と前石の中間の高さ、約135mm
(前石から55mm上がり)
天端は水平にし、海側に転かす
(上から見て手水鉢に対しハの字なるように)
勢いは前石へ
・ つなぎ石の据付(6石以上使用)
手水鉢とそれぞれの役石の手前1/3を繋いだ円上に据える
面は海に向ける
ちりは約50mm、根が切れないようにする
・ 海(それぞれの石の際はよく突込む)
整地した後、砂をスコップ一杯入れならす
水門石を置く(手前を土台の石が2石になるようにする)
4. 延段
・ 水糸張り
自分で決めたG.L.から50mm上がりで延段のガイドを張る
スコップで全体をほぐしておく
・ 板石の据付(水平器でレベルを合わせる)
・ 切石の据付(水平器でレベルを合わせる)
板石と切石の間は目地無し
・ ゴロタ石で延段の角石を据える
・ 外輪を据え、中を据える(禁忌に注意)
目地を突込み固める(際をハケで整える)
※やり過ぎないところで止めておく(石が動かないのが目安)
・ 飛石を据付
5. 景石・植栽
・ 筧を設置する
・ 粗整地を行い植栽地に残土をまとめる
(ここまでの作業で発生残土は最小限に)
・ 手燭石の際にサツキを1株植える
(石から少し離して海に傾けて植える)
・ 築山を整えたら景石を組む(主石は立石とする)
・ カシを植え付け
・ サツキの植え付け
・ ヤブランとタマリュウの植え付け(ポットごと植え付ける)
※剪定は行わない
※サツキの根元が隠れるように
6. 整地・仕上
・ ゴミなどを取り除き全体の点検を行う
・ 石の際、延段の目地などを特に綺麗にする
・ 整地した地面は箒の掃き目を付けて仕上げる
・ 飛石の上に関守石と最初に切った杭の頭を置く
7. 確認・片付
・ 手落ち、不要物などを確認する
・ 道具を片付け、ゴミも確認して全て敷地外に出してまとめ
ておく
・ 再度確認をして、作業終了を申告する
・ 完了
これを制限時間内に行います。延長時間に入ると5分毎に減
点されてしまいます。
ただ、早く終わっても仕上がりが雑だと減点され不合格にな
る場合があります。とにかく落ち着いて作業することが大切
です。
その為にもしっかりと事前準備をして試験に臨んで下さい。